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個展に寄せて

 


                          門脇佳吉   上智大学名誉教授

 大きな画面いっぱいに大胆な構図で描かれた教会の見事な油絵は、その力強いタッチと繊細な色彩で私の全身に迫ってきた。それは道子さんの絵との忘れることの出来ない最初の出逢いだった。それ以後七年間毎年道子さんの絵を観る機会が与えられ、そのたびに至福のひと時を持つことが出来た。特に前回の個展では、油絵の油で目を悪くされて、水彩画が中心だった。その水彩画が軽やかで躍動感に溢れ、ユーモアに富み、詩情溢れて、私の心を天上へと飛翔させてくれた。

 私は道子さんのこれらの水彩画を観ていたとき、私の心にふと「天上大風」という良寛の言葉が浮かんできた。ああそうだ、道子さんがこの頃深くキリスト教に傾倒されるようになり、天上におられるキリストから聖霊の風を受けているに違いないと思った。そのために、道子さんの絵からは得も言われない神的なシンホニーが聴こえてくるように思える。今年の個展の絵の写真を見せて頂いたが、昨年の絵よりも深みが増したように思える。画廊に行って、本物の絵を観れば、もっと感動するに相違ない。大いに楽しみにしている。 

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